ブログ

決算審査特別委員会 総括質疑

70313063_2435437093220820_6498361269186199552_n 9月19日㈭ 本日の決算総括は石本京子議員が質疑を行い、討論は石谷やす子が行いました。以下、日本共産党堺市議会議員団の討論全文です。

2018年度(平成30年度)決算は全会一致で可決されました。
…………………………

 日本共産党を代表しまして、2018年度堺市各会計決算について意見を申し述べます。

 2018年度一般会計は、実質収支23億6000万円となり、1980年以降39年連続の黒字となったほか、各特別会計も実質収支が黒字、水道事業会計、下水道会計も資金剰余額が引き続き黒字となっています。また、自治体の収入に負債の返済額が占める割合を示す実質公債費比率は0.3%下がり、2年連続の引き下げとなり、財政の健全性は引き続き確保されています。2016年2月に公表されている中長期財政収支見込でも2018年度の臨時財政対策債を除く市債残高はピークを迎えるもののその後減少するとの見通しが示されています。その後の国の制度変更などで、改定を求められる部分もあるものの、公共施設の建設・修復などに十分な計画性を持ってあたれば、こうした財政の健全性が維持できるものと考えます。また、経常収支比率の上昇は、道路維持補修費などが2018年度から新たに臨時的経費から経常的経費になったことなどに加え、今後の少子高齢化社会への対応や障害者福祉の重要性を鑑み、それに必要な堺市としての施策を講じた結果です。
  
70334217_2435437096554153_6099971836659892224_n 財政の健全性を確保しながら、2018年度においては、国民健康医療保険料が9年連続引き下げ、がん検診の無償化、老朽化した小・中学校トイレの全面改修、洋便器への取り替え、「おでかけ応援制度」の日数制限の撤廃など市民の要求に応える施策拡充を行ってきたことは、大きく評価できるところです。

 しかしながら、この6月の市長選挙の結果、新市長の下で事業の見直しが進められています。これまでの施策・住民サービスが継続され、拡充されるのか市民の注目が集まっています。この10月からは、消費税の10%増税による市民の暮らしへの影響や経済に深刻な影響を及ぼすことなどが懸念されています。

今こそ、市民の暮らしにしっかりと光を当て、住民の福祉の増進という地方自治法に定める地方公共団体の役割をしっかり果たしていくことがより一層重要です。

 以上の視点から、以下、各点にわたり、市政に対する評価、要望等を申し述べます。

 まず、「職員働き方改革」についてです。堺市は、職員働き方改革プランSWITCHを掲げ時間外勤務の縮減に取り組まれてきました。しかしなお、過労死ラインを超える時間外勤務を行う職員は、2019年(令和元年)8月は26人であり、ただちに対策を行うべきです。一方で、過度な時間外勤務の縮減策はサービス残業につながりかねず、サービス残業をさせない取り組みを求めます。
また、2018年度の年次有給休暇取得日数が年5日未満の堺市職員は613人(約12%)であり、取得促進をすすめてください。
職員個人向けメンタルヘルス相談窓口が設置されていますが、さらに相談がしやすい環境づくりを求めます。市民へのより良いサービス提供のためには、職員が健康で精神的に安定していることが求められます。業務の過重によりさらに人員が必要とされる部局には増員を検討するよう求めます。

 次に、防災・災害対策についてです。近年、頻繁に起きている大地震、大型台風、集中豪雨や高潮などで大被害が全国的に起きています。こうしたことから、国や自治体は、近い将来必ず起こる、「南海トラフ地震」などの災害から、人命救済と被害を最小限にする対策等を明示しています。

 本市地域防災計画では、「施設・設備等の環境整備」について「避難者の人権が守られ(中略)人的、物的両面の整備を図る」としています。熱中症が、心配される時、避難所である体育館へのエアコン設置は、喫緊の課題です。早急に設置するよう求めます。被災者は、災害時にやむなく車中泊やテント避難、在宅避難をします。その避難所外の被災者を把握しなければ関連死を防ぐ支援もできません。大災害時には、人手が必要です。自治体職員だけでは、限界があり、過労になれば、復興が遅れ、結果として被災者の不利益になります。被災者が、安心して避難できるよう、地域住民の支援や民間施設の活用支援も含めた避難所整備の充実を求めておきます。

 「大和川高規格堤防(スーパー堤防)整備」についてですが、大和川スーパー堤防整備のために三宝地区の区画整理事業で住民が転居を余儀なくされています。すでに行われている住民の立ち退きですが、転居できない住人に期限を切って迫るようなことはしてはなりません。
 スーパー堤防は全国5河川に巨大な国費を投じる国家的プロジェクトでありますが、完成の見通しもない事業です。気候変動で水害が続いています。治水というなら、低い土地のかさ上げや二重堤防、堤防の強化など直接的、効果的な方法は他にあります。

 堤防上に作る新たな宅地の地盤強度測定は、UR都市機構任せにせず、市や国の公的責任で行うよう求めます。

 そして、「街並み再生事業」についてですが、環濠都市北部地区において実施している「街並み再生事業」は歴史的風致維持のために地元市民の皆さんによる街並み再生協議会と連携して進められており、2015年から16件の建物の修景整備をしました。自由と自治の堺の歴史を次世代に受け継ぐ貴重な資源です。10年の事業期間となっていますが、住民が高齢で手が付けられなかったり、空き家で放置されている建物にも協力していただけるよう、制度の継続とさらなる活用を求めます。

 続いて、教育施策についてですが、小学校給食費が、10月引上げとなります。少子化対策や子育て支援策、何より児童の心身の健やかな成長を保障するため、学校給食のさらなる拡充こそ求められます。しかし、その負担を保護者に求めるのではなく、国や自治体が担うべきです。

 気候変動のため酷暑の夏が続きます。小中学校の普通教室へのエアコン設置は完了しましたが、特別教室への設置が急がれます。使用頻度の高い中学校の美術室や理科室、家庭科室さらに公立幼稚園の遊戯室など実態に応じてエアコン設置を急ぐよう求めます。

 次に、就学援助制度についてです。本市においては、この間、入学用品費の増額や支給日の前倒し、また学用品費の増額を積極的に実施してきました。
 一方で、本市の就学援助の認定基準は生活保護世帯の1.0倍です。国の生活保護基準が下がり、その結果扶養控除から外され、就学援助の対象外になる場合もあります。認定基準の引きあげを強く求めておきます。また、現在実施している選択制中学校給食のもとでも就学援助の適応を実施するよう求めておきます。

 次に、放課後支援施策についてです。堺市ではすでに利用児童数が1万人を超えています。過密・過大の解消や利用料の引き下げ、専用教室の保障が大きな課題となっています。さらに児童にとって安心・安全で豊かな放課後を保障するためには保育の質の向上が欠かせません。指導員の質の向上、処遇の改善が必要です。公設民営の実施です。これでは、市としての実施責任が問われます。国の運用指針の順守はもとより全児童の25%以上の利用実態のある放課後支援策の拡充を求めます。

 次に、子ども医療費助成についてです。2018年度決算において示されている対象年齢15歳の子ども医療費助成の決算額は27億2330万1834円、対象者数は10万3173人、助成件数は141万3800件とのことです。つまりそれだけ本市が子育て世帯の負担軽減を担っている証です。次いで、今年度より、政令指定都市で初めて、所得制限なしのまま対象者を18歳まで拡充したことは高く評価しておきます。今後も、当局が示されたように「次世代の社会を担う子どもたちの成長を社会全体で支援する」ために、同制度を今後も継続し、さらにまた完全無償化を実施するよう求めておきます。

 次に、がん検診無料化についてです。本市においては、2018年4月から、胃がん、肺がんと大腸がん、子宮がん、乳がんの5つのがん検診の無償化を2年間限定で実施しています。その効果として、受診者数が2割増とのことです。また、新たな取り組みとして、子宮がん検診において、保育士を配置した託児カーを用いて受診者数を伸ばす努力も評価します。ひとつ提案ですが、がん検診は短時間でできるとのアナウンスをして、受診してみようと思える動機づけを強化してください。がんは、早期発見・早期治療が要です。受診者数をさらに伸ばし目標値まで達成させるためにはやはり無償化を継続することが大切です。制度の充実・拡充も含めて強く求めておきます。

 国民健康保険についてですが、国民健康保険料率の府内統一化によってさらなる保険料の引き上げが行われています。激変緩和策が取られていても、今後5年にわたって引き上げられれば市民生活における家計への影響は相当なものです。今でも高い保険料を引き下げるため、府内統一化の実施延期も含めた見直しを府に求めてください。国に対しては、子どもの均等割の減額や公費負担の増額を求めてください。さらに基金の活用や法定外繰入れなどによって誰もが払える保険料に引き下げることを求めます。

次に、選挙管理委員会の業務について、過日行われた美原区の開票について疑義が持たれ、市民から申し入れ書が出されました。「山下よしき」と記載された票が「0」と公表されましたが、「自分は、山下よしきと記載した」と名乗り出る方が複数いらっしゃったからです。しかし、選挙管理委員会としては規則にのっとり適正に実施されたとのことで、投票箱を開けて、真偽を確かめることはできませんでした。日本国憲法で保障された国民の投票権にかかわる、このようなことを二度と起こさないよう、選挙管理業務の強化を求めます。

 次に、(仮称)百舌鳥古墳群ガイダンス施設の整備についてです。新市長になって見直される前の計画は、旧女子大学跡地のうち、大山古墳寄りの西側の間近、約1.5ヘクタール部分に建設し、展示方針を「バーチャルからリアル」として、シアターによる映像や模型などを用いた展示により古墳群の価値を解説し、世界遺産登録の必要性や意義も伝え、最後に展望デッキから、古代の人々が見たような墳丘の稜線をながめ大山古墳の雄大さを体感してもらえる予定になっていました。また、バッファゾーンで定められている15m以内の高さ制限のなかでも、障害等に左右されることなく、多くの来訪者が古墳の稜線を眺望できる合理的配慮も施された計画でした。しかし、この度の見直しは、「もっと高いところからの眺望」のことばかりに気が行っています。ガス気球やドローンの眺望だけでは、それらが身体的・経済的ハンデによって利用困難な来訪者に対する合理的配慮が完全に欠けています。本市が、持続可能な開発目標SDGsの「2030アジェンダ」、「誰ひとり取り残さない」という理念にも応えられるような事業を実施するよう求めておきます。

 児童自立支援施設について、2018年の 2月議会において用地取得を全会一致で採択し、設置に向け基本計画を策定し整備を進めてきました。非行に走る子どもや虐待や家庭の事情などで施設での生活をせざるを得ない子どもの居場所となる施設であり、個々の子どもの育ちなおしや立ち直り、社会的自立に向けた支援を実施する、重要な役割を担うものです。市長は「約35億円の整備費用と多額のランニングコストを考えた場合、大阪府と連携を図って、事務委託について改めて協議していくべきだと判断した」と述べられましたが、コストも含めて議会で議論を尽くされてきたものであります。大阪府の受け入れ体制も不確定です。今回の中断は決め方においても大いに問題があります。計画を中断せず、すべての子どもを堺市が責任を持って育て、子どもたちの未来や命を守る立場で進めていただくよう求めます。

 次に、ジェンダー平等にかかる事業についてです。この間、「さかい男女共同参画週間」での記念講演やワークショップ、「国際女性デー・イベント」でのパネル展、男女共同参画リーダー養成講座、DVについての庁内職員研修、相談事業を積極的に行っています。今後もジェンダー平等社会を実現させるうえで、選択制夫婦別姓も実現させるため本市としてもさらに積極的な取り組みを求めておきます。

 続けて、LGBTと総称される性的マイノリティの人権保障にかかる取組についてです。本年4月からは「堺市パートナーシップ宣誓制度」が実施されました。市民啓発としては、市民向け講演会で人権教育セミナーを実施、啓発パネル作成及び展示の取組、映画上映会、啓発カードの作成、職員・民間事業者向け研修で理解促進研修や各人権相談担当者及び福祉サービス関係者対象の研修会、LGBT専門の人権相談ダイヤル、弁護士相談と多岐にわたって実施してきたことを評価します。今後も取組を継続してもらうよう求めておきます。また、わが会派としても同性婚を認める民法改正を行うために世論を広げるために力を尽くすことを表明致します。

 最後に地方自治の本旨を守り、憲法を遵守し、また以上述べました意見を十分踏まえ市政運営にあたられることを求め、2018年度決算については、認定することを表明し、意見と致します。